品質保証部門 サラリーマンの日常と実態

大企業の品質保証部門で働く四大卒、サラリーマンの日常と実態

品証で本社か工場勤務なら、工場勤務が充実

本社での品証部門、工場での品証課どちらも経験したから言えることですが、

工場のほうが、精神的充実感は高いです。

 

それはなぜか?

 

工場なら、困ったらすぐに現場を見に行くことができるからです。工場には主に平屋の事務所棟があり、数メートル離れたところに製造ラインの建屋があります。

 

工場にいたら、現場すぐだし、物で動くことができます。

 

これが本社ならどうでしょうか?

何か調べようにも、現場をすぐ見ることができません。

 

何が言いたいかと言うと、若手のうちに早く工場に異動になったほうが、結果的に身になり役に立ちます。田舎に転勤になり、家族からは文句を言われ、恋人と遠距離になり、婚期を逃したり、負の側面はかなり多いです。面倒くさい引っ越し準備や市役所での手続きが去る所と、行った先で2回も必要です。引っ越しだと片づけや不要品の処分などで、勤務後に深夜に及び寝不足になる可能性あります。

 

更に赴任時に最初に足を踏み入れた最寄り駅前の、あまりにも田舎ぶりに愕然とする。慣れない土地への不安や孤独感

 

しかし、それでも工場勤務を希望する品証の若手は多い。なぜなら現場に出ないと始まらない、行かざる得ないことを知っているから。下記の理由です。

 

工場経験があり、物の製法や作業手順、現場の設備やライン構成、レイアウト、置き場配置を知っている人なら、大丈夫ですが

 

工場経験がない人にとっては

なかなか現場のイメージが付きづらく、想像でしかできないこともあります。

 

特に本社内の会議や工場との会議で、製造現場のトラブル関連の打ち合わせをするときに困ります。まず飛びかう現場用語が分からず、製造現場のイメージがつかない。話しについていけなくなります。

 

安全、環境、防災、総務、財務とかなら、会社や製造している品種が違えど、法律とかで共通した部分が多くて、一般書籍でも勉強できますが、品質の場合はそうはいきません。

 

製造品種の知識や、それ特有の製造工程の知識が必要だからです。会社や工場間でバラバラで、企業秘密もあり、一般書籍で勉強できません。

 

工場に問い合わせたりすれば、質問の答えや写真などもらえますが、工場の担当者らとの人脈がないと、聞きづらいです。

 

まあ、大手の場合は、品証の総合職スタッフは2年おきくらいに、本社と工場間、工場工場間で転勤がありますので、数年間会社にいれば、品証内での人脈は勝手にできるので、あまり心配はいりません。

 

話しを戻し、本社の場合は、役員などへの報告資料や、上層部会議資料をひたすら作らされ、上役にあげて行くたびに修正が入ったり

 

設備、開発、製造技術部門との面倒な会議の取り仕切り役をさせられたり

 

なかなか言うことを聞かない工場らを、取りまとめて方針を出す、展開する、調整するなど、泥臭い業務です。

 

大きな市場品質トラブルがあれば、影響範囲を製造履歴やスペック変遷などから特定して、販売部門とも調整し、顧客への出荷を止めるとか、リコールするかしないかなど、高度な経営判断も求められます。

顧客への説明や謝罪のため、直接報告に行く場合があります。そして宿題もらえば、すぐに関連部門に展開し、納得させてやってもらうように仕向ける必要があります。

 

唯一の救いとしては、夜間呼び出しがないことです。工場の場合、24時間稼働や土日稼働している会社もあるので

 

不良品多発時、機械故障時、異物、作業ミスによるトラブルなど起きたら、品証担当者に現場から昼夜問わずに真っ先に電話が来ます。

 

これが本社なら夜間には絶対電話は来ませんので、寝れます。