大手の企業は、自社に工場を持っています(大手に限らず中小も)。
なので、工場で働く正社員は、そこの大手企業の
社員というわけです。
しかし工場勤務も、いろんな人が採用されます。正社員だけでなく、アルバイトや派遣が多いのも実情です。
工場は大きく、2種類の採用形態があります。
・総合職の転勤組
・地元採用
まず地元採用とは、現業職、つまりは製造ラインで、現場作業をするために採用された人たちを示しています。この中にも正社員はいます。最近は最初アルバイトとして採用し、数年したら正社員になるという流れがありますね。
主に高卒(工業高校が多い場合が多い)、高専卒、大東亜大以下の大卒で占められています。製造ラインだけでなく、検査工程とか、そのような職種もそうです。
地元採用組の人たちは、基本的に転勤はありません。ほとんどの人たちが、ずっと現場の作業員として定年を迎えることになります。ただし、夜勤もありますし、土日などもシフトによっては、出勤になりえます。その中でも優秀な人たちは、班長や現場の主任、製造の課長までいけば、大出世です。ラインの班長、主任、課長と上がっていくたびに、別の工場へ転勤になる可能性はあります。
もう1つは大卒組で、初任配属は研究所は本社であったりします。そして1~2年くらい経つと、現場のことを経験させるために、工場へ飛ばされるのです。
工場では約2~4年くらい勤務して、また研究所へ戻ったり、別の工場へ飛ばされたりします。
では大卒組は、ラインでの作業をするのでしょうか?
いいえ、違います。間接部門で、技術や品質管理、総務、生産管理、IEつまりは、工場内での、組織横断的な業務内容をすることになります。
その中で、現場部門の長の人たちと日々会議をして、常に調整業務や製造課へのお願いごとをします。結局のところ、改善業務にしろ、本社からの宿題や調査依頼にしろ、製造課に動いてもらわないと、何もできないということが多いからです。
さらに大卒の総合職組は、
工場内で、中期計画を立てたり、本社や研究所から与えられた宿題(会社の方針展開や調査依頼の回答)をこなしたりします。
また工場内での課題解決にも取り組みます。現状分析をして、理想とのギャップを解消するために、設備、製造、技術、生産管理のいろんな部署と調整して、チームワークで解決していくことを日々行います。
また問題顕在化のために、現場を歩き回り観察したり、作業員にヒアリングしたり、工程内のデータを採ったり、なぜなぜ分析したりと、頭と体も使うことになります。
予算が必要なら工場長に打診したります。
クレームやトラブルが起きたら、初動対応や、原因調査、本社への回答書作成、再発防止策を製造課へ浸透させるなど、業務は多岐に亘ります。
基本的に全員、日勤です。土日は休みとなります。
休日や夜間に何かトラブったりすれば、製造課から容赦なく、電話がかかってきます。
このように現場の荒波や、工場ならではの切迫感、チームワーク業務にもまれながら、成長していくのです。
ただ残念ながら、新卒の就活学生で、本社や研究所の勤務は希望しても、工場勤務を希望する学生は少ない印象を受けます。
僕は新卒のときに、リボン食品という中堅食品メーカーの説明会に行きましたが、会場には100人近くいました。その中で、研究開発が9割以上で、工場の生産管理職(在庫や生産量の調整をする部署)を希望する人はほとんどいませんでした。
理由は、工場はまず地方にあるイメージがあり、田舎勤務を敬遠する。
きつく汚いイメージがあるといったところでしょう。
合コンなどに行っても、工場勤務している場合、説明がややこしいです。
女性らから「工場?作業しているの?」とか聞かれるので、
「いや、作業でなく、現場をサポートする間接部門。。。」とか
いちいち説明するのも面倒ですね