大手企業、品質保証部門サラリーマンの日常と実態

旧帝大クラス大学・大学院卒、品質管理技術者の日常と実態

工程能力評価を、複数のサイズ(品番・モデル)にて算出する方法

工程能力Cpk(中心値とばらつき両方を評価)の算出は、1品番(1サイズ)毎に行うことが一般的です。

 

とある工程、マシーンにて代表となる品番を決めて、工程能力評価を月次で行ったりします。N数は30とかです。

 

また新設備立ち上げ時、工場立ち上げ時には、複数の品番を用いて、それぞれ品番にて個別に工程能力を算出するかと思います。これは自動車産業の場合だとAPQP(先行製品品質計画)の一部ですね。技術部門の役目です。

 

でも複数の品番にて工程能力評価を行うこともできますよ。

えっ?どういうこと?と思う方もいるかもしれません。

 

たとえば、工程能力評価を6品番くらいまとめて、一気に計算することも可能です。その6品番は、それぞれ中心値も許容差も、それぞれ異なるものでも、計算できます。

 

そのやり方ですが、どれか1つの品番に、強制的に中心値を合わせてしまいます。

ばらつきに関しても、それぞれの品番で、許容差からの比を算出して、どれかの1品番に尺度をあわせてしまうんですね。

 

工程能力は、それぞれの品番の測定値や許容差の絶対値がどうこうとかは関係なく、あくまで、許容差とばらつきの比によって決まってしまうものです。なので、どれか1品番に、他品番の中心値もばらつきも、強制的にアジャストして(尺度を合わせ)計算するのです。

 

そうしたらこのようなメリットがあります。

 

①その設備・工程での、品番間差・ロット間差を含めた、全体的な工程能力を知ることができます。

<解説>

たとえば1品番の生産ロットに4時間かかるとしましょう。6品番なら24時間ですね。3交代で夜勤で工場あが動いていたとしたら、24時間(1ロット4時間×6品番)中に、作業員も交代するでしょうし、昼と夜の差もあるでしょうし、品番が変わるたびに、冶具などの切り替え作業もあるかもしれません。つまり、ロット間差や、4Mも含めた、工程能力を把握することができます。

 

②サンプル数が少なくて済む、短期間で調査が済む

 

<解説>

たとえば、1つの品番ごとに、6品番でそれぞれ工程能力を算出する場合、評価期間も長くなることでしょう。

しかし、6品番合わせて工程能力Cpkを算出する場合だと、短期間でサンプリングができます。工程能力は最低でもN=30必要です。1品番ごとに工程能力を出す場合ですと、N=30×6品番 =180個のサンプルが必要です。

6品番の合わせ技ならば、N=5/品番×6品番 =30でOKです!

 

もちろんどちらの方法を選択するかは、何を見たいかの目的によります。状況に応じて、適切に使い分けましょう。

今回言いたかったのは、工程能力の算出は、複数品番でもできるということです。