クレームやトラブル、何かの問題、ミスが発生した時
なぜなぜ分析を行い、真の原因を見つけることは有効です。
それに応じた再発防止策を打てるからです。
よくISOの審査などで指摘があるのは
問題の原因の欄に、単なる事象を書いたものです。
例)作業員がミスをした 原因・・・とある手順を忘れて抜かした
こういうのは、単なる事象の説明で原因ではありません。
・作業ステップが複雑すぎて、覚えきれない量だから忘れたのか
・そもそも訓練がきちんとされていたのかとか
・何か別の処置作業が頻繁に発生し、気が散る現場環境だったのかとか
・作業のパターンが複数あって、場合分けが必要で、そこでミスしたとか
・作業標準はきちんと整備されていたのかとか
そういう仕組みやシステム上の欠陥にまで
踏み込まなければなりません。
そういうときこそ、なぜなぜ分析です。
では、やっていきましょう。
まず前提条件が大切です。これははっきり明記しておきましょう。
これは事実として調査した結果でポイントとなるところを書きます。
なぜなぜを階層を深くするたびに
A⇒B⇒C・・・と3~5回くらい繰り返すことになるかと
思いますが、一番簡単な方法を教えます。
それはBだからAになる。CだからBになるという風に
逆にさかのぼり、この理由だから、これになるというのが
繋がればOKです。
なぜなぜ分析の落とし穴として、人の感情や
心理・不満などに向かうのは、間違ったやり方です。
たとえば、作業員がとある作業をミスした。
それが注意力がなかった。さらになぜなぜをすると
翌日に寝不足だったとか、給料が低くてやる気がなかったとか
そのような個人の心理的なものに行ってしまうことです。また
人は間違えるものだという前提に立ち
あくまで、職場内での仕組みややり方に
脆弱性があったとか、そちらの方向に向けなくてはいけません。
そうしなければ、精神論や単なる理想論に終わってしまい、改善が進みません。
またなぜなぜをすると、さまざまな角度からの
問題点が見えてきて、樹形図のように、たくさん真の原因が
見つかることもあるかもしれません。
たとえば5個とか
では、これらの対策は全部する必要があるのでしょうか?
いえ、そうではありません。
優先順位をつけて、5個のうち3つはやる。
残りはひとまずそのままにしておく。
それでもいいです。
見つかったさまざまな要因のうち、どれに重視して
対策を打つかは、それこそ、組織のリーダーの
マネジメントの腕の見せ所です。